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 * ZFSはUFSでもかまわない。
 *
UFSの場合、sharenfs でなく、/etc/exports で反映を行う。
 * 過去との互換性?今時 v2 はおろか、v3 でもないでしょ。v4 ないしは v4.1 で。
 * ZFSはUFSでもかまわない。UFSの場合、sharenfs でなく、/etc/exports で設定を行う。
 * 過去との互換性?今時 v2 はおろか、v3 でもないでしょ。v4 ないしは v4.1(pNFS はまだ使えないと思う、未検証)で。
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 * 今回、/export 上にNFS共有するファイルシステムを専用に用意するものとする。  * 今回、/export 上にNFS共有するファイルシステムを専用に用意するものとする(必須ではない)
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 * sharenfs プロパティを設定すると、/etc/zfs/exports に展開された上、mountd(8)にHUPシグナルを送られる。
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※VMware ESXi 上(LSI Logic SAS アダプタ)では TRIM/UNMAP が効かいのでオフにする。
基本的に物理環境下ならHDDと言えど TRIM/UNMAP 試してエラーになることは無いと思われるので、CAMのエラーメッセージがうるさい時だけ設定する。
検証環境に使用した VMware ESXi 6.0U2 上(5.5/5.5U1/5.5U2/6.0/6.0U1 でも確認、いずれも LSI Logic SAS アダプタによる)では TRIM/UNMAP がエラーにってログがウザいので ZFS TRIM 機能をオフにする。

物理環境下なら今時のHDDであれば TRIM/UNMAP 試してエラーになることは無いと思われるので、CAMのエラーメッセージがうるさい時だけ設定する。
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MTU値はネットワーク依存で、通信に絡んでいる一番小さな値を指定することになるが、最近だと9000バイトあたりに収束つつあるのかなぁと思いつつ MTU値はネットワーク依存で、通信に絡んでいる一番小さな値を指定することになる。必ずしも9000バイト)とは限らないので、ちゃんと調べよう(&設定よう)
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なお手動で設定できるが、MTU値を反映するため一度下記のようにインターフェースをダウンさせる必要がある。 なお手動で設定できるが、その場合、MTU値を反映するため一度下記のようにインターフェースをダウンさせる必要がある。
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特に async_write_max_active はドライブが対応しているNCQ・TCQの数(-1)を指定する。 特に async_write_max_active はドライブが対応しているNCQ・TCQの数(-1)を指定する(台数があれば台数分を乗算する)
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==== vfs.nfsd.issue_delegations ====
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 * しかし、調べた範囲だと、NFSクライアントで使用が明言されてないので、とりあえずオフっておく。  * しかし、調べた範囲だと、NFSクライアントで使用が明言されてない」というか確認できなかったので、とりあえずオフっておく。
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 * ロックについて、NFSサーバーとNFSクライアント間でのロック共有ができるようになる。 ==== vfs.nfsd.enable_locallocks ====
* ロックについて、NFSサーバーとNFSクライアント間でのロック共有ができるようになる。
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 * 調査が足りてないので、とりあえずオフっておく。

 * もちろんNFSv4の売り文句であるところの、NFSv4クライアントでのロックは問題無し。
 * NFSv4クライアント同士のロック共有が可能かは未検証。
 * この問題について調査が足りてないので、とりあえずオフっておく。
 * もちろんNFSv4の売り文句であるところの、NFSクライアント(内の複数のプロセス)でのロック取得は問題無し。
 * NFSクライアントのロック共有が可能かは未検証。
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とりあえず、/export がNFSv4共有できるようになる。ただし、/export 自体は sharenfs=off なので、どこからからもマウントできない(できるけどアクセスできない)。 とりあえず、/export がNFSv4共有できるようになる。ただし、/export 自体は sharenfs=off なので、どこからからもマウントできない(厳密にはできるけどアクセスできない)。
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 * NFSv4サーバーとして運用するために必要なデーモン(およびオプション)は以下の通り。  * NFSv4サーバーとして運用するために必要なデーモンは以下の通り。
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 * また、以下の設定の設定によりある程度のアクセス制限を行う。  * また、以下の設定によりある程度のアクセス制限を行う。
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rpcbind_flags="-h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス" rpcbind_flags="-h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"
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mountd_flags="-l -h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス"
nfs_server_flags="-t -h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス"
mountd_flags="-l -h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"
nfs_server_flags="-t -h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"
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 * 先にも述べたがNFSv4におけるサーバーとクライアント間のアカウント識別は「ユーザー@ドメイン」である。
 * これはNFSv3/v2までと違い、UID、GIDという数字では識別していないことを意味する。
 * 先にも述べたがNFSv4におけるNFSサーバーとNFSクライアント間のアカウント識別は「ユーザー@ドメイン」である。
 * これはNFSv3/v2までと違い、UID、GIDという数字では識別していないことを意味する(問題については後述)
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== CentOS 6.x での相互運用問題 ==
CentOS 6.8(おそらく CentOS 5.11 も) との相互運用では以下の点に注意する必要がある。

 * NFSサーバー・クライアント間でUID/GIDを合致させないといけないバグがある(NFSv4の仕様上、バグ認定)。
 * というのもNFSクライアント(CentOS 6.8)で postgres(26):postgres(26) がアクセスした時の、NFSサーバーへのユーザー問い合わせ結果を tcpdump(8)した結果、「postgres」ではなく「26」という文字列をNFSサーバーに問い合わせ(fattr_owner)ている現象を確認した。
 * 本現象について調査したところ、下記のバグがレポートされていることを確認した。
   * [[https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=829362|Bug 829362 - wrong username/domain passed in nfs4 attribute requests]]
 * バグレポートでは以下の点から、CentOS 6 系(少なくとも 6.8、2016年06月09日現在)以下には反映されていないものと考える。
   * バグレポートで言及されているディストリビューションが !FedoraCore 17 である。
   * CentOS 6(RHEL6) は !FedoraCore 12/13 ベースである。
   * 更に CentOS 6 の nfs-utils のバージョンは 1.2.3 であるが、!FedoraCore 17 では 1.2.6 である。
   * !FedoraCore 17 ベースの CentOS 7 では問題無いと思われる(未検証)。
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/export をどう共有するかによるが「/export/NFSv4クライアント」として、クライアント単位で共有設定する場合は、下記のようにパーティションを切る。 /export をどう共有するかによるが「/export/NFSv4クライアント」として、クライアント単位で共有設定する場合は、下記のようにパーティションを切る。
行 140: 行 155:
zfs create -o sharenfs="-maproot=0:0 NFSv4クライアントIP" export/NFSv4クライアント zfs create -o sharenfs="-maproot=root NFSクライアントIP" export/NFSクライアント
行 146: 行 161:
一つの領域を複数のNFSv4クライアント間で共有するなら、/etc/exports に集約するのが良いと思われ(未実験)。 一つの領域を複数のNFSクライアント間で共有するなら、/etc/exports に集約するのが良いと思われ(未実験)。
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なおNFSv4クライアントからは、「/NFSv4クライアント名」でマウントすることになる(/export がトップディレクトリとなって見えなくなる)。 なおNFSクライアントからは、「/NFSクライアント名」でマウントすることになる(/export がトップディレクトリとなって見えなくなる)。
行 150: 行 165:
更にお好みに応じて、exec=off、setuid=off も追加しよう。これはNFSv4サーバーとしては「解釈しない」という意味であって、NFSv4クライアントはクライアントで、別途設定が必要となる。 更にお好みに応じて、exec=off、setuid=off も追加しよう。これはNFSサーバーとしてはこれら属性を「解釈しない」という意味であって、NFSクライアントはNFSクライアントで、別途設定が必要となる。
行 153: 行 168:
mountd(8) 再読み込みによりNFSv4クライアントからマウントできるようになるわけだが、これが成功したのか失敗したのかはよくわからない。 mountd(8) 再読み込みによりNFSクライアントからマウントできるようになるわけだが、これが成功したのか失敗したのかはよくわからない。
行 166: 行 181:
 * [[https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=829362|Bug 829362 - wrong username/domain passed in nfs4 attribute requests]]

NFSv4サーバーの作り方

検証環境

  • FreeBSD/amd64 10.3-RELEASE をNFSv4サーバーとする。
  • CentOS をサーバーにするケースは今回は無しで。
  • NFSv4 on ZFS で、使用するプロトコルはNFSv4に絞る。
  • ZFSはUFSでもかまわない。UFSの場合、sharenfs でなく、/etc/exports で設定を行う。
  • 過去との互換性?今時 v2 はおろか、v3 でもないでしょ。v4 ないしは v4.1(pNFS はまだ使えないと思う、未検証)で。

セットアップ

ZFS領域確保(作業例)

sysctl vfs.zfs.min_auto_ashift=12
zpool create -O atime=off export /dev/da1
  • 今回、/export 上にNFS共有するファイルシステムを専用に用意するものとする(必須ではない)。
  • またマウント可否は sharenfs プロパティで制御するものとする(デフォルトは off)。
  • sharenfs プロパティを設定すると、/etc/zfs/exports に展開された上、mountd(8)にHUPシグナルを送られる。

/boot/loader.conf(環境依存)

vfs.zfs.trim.enabled="0"

※検証環境に使用した VMware ESXi 6.0U2 上(5.5/5.5U1/5.5U2/6.0/6.0U1 でも確認、いずれも LSI Logic SAS アダプタによる)では TRIM/UNMAP がエラーになってログがウザいので ZFS TRIM 機能をオフにする。

物理環境下なら今時のHDDであれば TRIM/UNMAP 試してエラーになることは無いと思われるので、CAMのエラーメッセージがうるさい時だけ設定する。

/etc/rc.conf(NICチューニング)

ifconfig_インターフェース="inet XXX.XXX.XXX.XXX netmask XXX.XXX.XXX.XXX mtu 9000"

今時のファイル共有ならGbEや10GbE当たり前なので、MTU値を設定する。 MTU値はネットワーク依存で、通信に絡んでいる一番小さな値を指定することになる。必ずしも9000(バイト)とは限らないので、ちゃんと調べよう(&設定しよう)。

なお手動で設定できるが、その場合、MTU値を反映するために一度、下記のようにインターフェースをダウンさせる必要がある。

ifconfig インターフェース mtu 9000
ifconfig インターフェース down
ifconfig インターフェース up

/etc/sysctl.conf

NFSの最低利用バージョンの指定

vfs.nfsd.server_min_nfsvers=4

なお最大利用バージョンの指定は rc.conf 中の「nfsv4_server_enable="YES"」設定で行われている。

ZFSのチューニング

vfs.zfs.min_auto_ashift=12
vfs.zfs.vdev.async_write_max_active=31

特に async_write_max_active はドライブが対応しているNCQ・TCQの数(-1)を指定する(台数があれば台数分を乗算する)。

NFSのチューニング(未検証)

vfs.nfsd.issue_delegations=0
vfs.nfsd.enable_locallocks=0

vfs.nfsd.issue_delegations

  • NFSサーバーでデリゲーション機能を提供するとNFSクライアントにメリットがあるらしい。
  • しかし、調べた範囲だと、NFSクライアントでの使用が「明言されていない」というか確認できなかったので、とりあえずオフっておく。

vfs.nfsd.enable_locallocks

  • ロックについて、NFSサーバーとNFSクライアント間でのロック共有ができるようになる。
  • しかし、以下の組み合わせで、できたりできなかったりする。
    • NFSクライアント(CentOS 6.8)→NFSサーバー(FreeBSD 10.3-R)の順でロックすると問題無くロックできる。
    • NFSサーバー(FreeBSD 10.3-R)→NFSクライアント(CentOS 6.8)の順でロックするとNFSクライアント側でロックされずにエラーになる。
  • この問題について調査が足りてないので、とりあえずオフっておく。
  • もちろんNFSv4の売り文句であるところの、NFSクライアント(内の複数のプロセス)でのロック取得は問題無し。
  • NFSクライアント間のロック共有が可能かは未検証。

/etc/exports

V4: /export -network ネットワークアドレス -mask ネットマスク

とりあえず、/export がNFSv4共有できるようになる。ただし、/export 自体は sharenfs=off なので、どこからからもマウントできない(厳密にはできるけどアクセスできない)。

/etc/rc.conf

  • NFSv4サーバーとして運用するために必要なデーモンは以下の通り。

rpcbind_enable="YES"
nfsuserd_enable="YES"
mountd_enable="YES"
nfs_server_enable="YES"
nfsv4_server_enable="YES"
  • また、以下の設定によりある程度のアクセス制限を行う。

rpcbind_flags="-h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"
nfsuserd_flags="-domain アカウント識別用ドメイン"
mountd_flags="-l -h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"
nfs_server_flags="-t -h 公開するNFSサーバーのIPアドレス"

このうち、nfsuserd_flags で指定する「ドメイン」の指定が重要となる。 NFSv4では、NFSサーバーとNFSクライアント間のユーザー識別子を「ユーザー@ドメイン」で識別するため、合わせておく必要がある。

これは厳密にはサーバーのドメインとは別物であるため、別途決め打ちする必要がある。

アカウント作成

  • 先にも述べたがNFSv4におけるNFSサーバーとNFSクライアント間のアカウント識別は「ユーザー@ドメイン」である。
  • これはNFSv3/v2までと違い、UID、GIDという数字では識別していないことを意味する(問題については後述)。
  • 「ドメイン」については先に決めたとおりとする。
  • よく使いそうな「ユーザー」については事前に作成しておくこと。
  • NFSサーバーとNFSクライアント間でアカウントミスマッチが起きると、以下の現象が発生する。
    • NFSクライアント(CentOS 6.8): nobody ユーザー・nobody グループにマップされる。
    • NFSサーバー(FreeBSD 10.3-R):32767 ユーザー・32767 グループにマップされる。

アカウント作成例

pw groupadd postgres -g 5432
pw useradd  postgres -u 5432 -g postgres -c "postgres" -s /usr/sbin/nologin
install -d -o postgres -g postgres -m 0755 /home/postgres

※FreeBSD の PostgreSQL 用アカウントとして pgsql (/usr/ports/UIDs ファイル参照のこと)があるが、CentOS の PostgreSQL 用アカウント(postgres)とはマッチしないので、別途作成する。

CentOS 6.x での相互運用問題

CentOS 6.8(おそらく CentOS 5.11 も) との相互運用では以下の点に注意する必要がある。

  • NFSサーバー・クライアント間でUID/GIDを合致させないといけないバグがある(NFSv4の仕様上、バグ認定)。
  • というのもNFSクライアント(CentOS 6.8)で postgres(26):postgres(26) がアクセスした時の、NFSサーバーへのユーザー問い合わせ結果を tcpdump(8)した結果、「postgres」ではなく「26」という文字列をNFSサーバーに問い合わせ(fattr_owner)ている現象を確認した。
  • 本現象について調査したところ、下記のバグがレポートされていることを確認した。
  • バグレポートでは以下の点から、CentOS 6 系(少なくとも 6.8、2016年06月09日現在)以下には反映されていないものと考える。
    • バグレポートで言及されているディストリビューションが FedoraCore 17 である。

    • CentOS 6(RHEL6) は FedoraCore 12/13 ベースである。

    • 更に CentOS 6 の nfs-utils のバージョンは 1.2.3 であるが、FedoraCore 17 では 1.2.6 である。

    • FedoraCore 17 ベースの CentOS 7 では問題無いと思われる(未検証)。

領域の共有設定

共有設定

/export をどう共有するかによるが「/export/NFSv4クライアント名」として、クライアント単位で共有設定する場合は、下記のようにパーティションを切る。

zfs create -o sharenfs="-maproot=root NFSクライアントIP" export/NFSクライアント名

sharenfs 設定を行うと、/etc/zfs/exports ファイルに掃き出されるのと、合わせてmountd(8)に再読み込み(HUP シグナル)が実施される。

一つの領域を複数のNFSクライアント間で共有するなら、/etc/exports に集約するのが良いと思われ(未実験)。

なおNFSクライアントからは、「/NFSクライアント名」でマウントすることになる(/export がトップディレクトリとなって見えなくなる)。

更にお好みに応じて、exec=off、setuid=off も追加しよう。これはNFSサーバーとしてはこれら属性を「解釈しない」という意味であって、NFSクライアントはNFSクライアントで、別途設定が必要となる。

設定確認

mountd(8) 再読み込みによりNFSクライアントからマウントできるようになるわけだが、これが成功したのか失敗したのかはよくわからない。 そこで、「showmount -e」コマンドと「zfs get sharenfs」コマンドの実行結果を見比べて判断すること(設定した内容が反映されてないなど)。

showmount -e
zfs get sharenfs

参考文献

NFSv4/サーバー (最終更新日時 2016-07-24 23:43:53 更新者 NorikatsuShigemura)