NFSv4サーバーの作り方

検証環境

セットアップ

ZFS領域確保(作業例)

sysctl vfs.zfs.min_auto_ashift=12
zpool create -O atime=off export /dev/da1

/boot/loader.conf(環境依存)

vfs.zfs.trim.enabled="0"

※VMware ESXi 上(LSI Logic SAS アダプタ)では TRIM/UNMAP が効かないのでオフにする。 基本的に物理環境下ならHDDと言えど TRIM/UNMAP 試してエラーになることは無いと思われるので、CAMのエラーメッセージがうるさい時だけ設定する。

/etc/rc.conf(NICチューニング)

ifconfig_インターフェース="inet XXX.XXX.XXX.XXX netmask XXX.XXX.XXX.XXX mtu 9000"

今時のファイル共有ならGbEや10GbE当たり前なので、MTU値を設定する。 MTU値はネットワーク依存で、通信に絡んでいる一番小さな値を指定することになるが、最近だと9000バイトあたりに収束しつつあるのかなぁと思いつつ。

なお手動で設定できるが、MTU値を反映するため、一度下記のようにインターフェースをダウンさせる必要がある。

ifconfig インターフェース mtu 9000
ifconfig インターフェース down
ifconfig インターフェース up

/etc/sysctl.conf

NFSの最低利用バージョンの指定

vfs.nfsd.server_min_nfsvers=4

なお最大利用バージョンの指定は rc.conf 中の「nfsv4_server_enable="YES"」設定で行われている。

ZFSのチューニング

vfs.zfs.min_auto_ashift=12
vfs.zfs.vdev.async_write_max_active=31

特に async_write_max_active はドライブが対応しているNCQ・TCQの数(-1)を指定する。

NFSのチューニング(未検証)

vfs.nfsd.issue_delegations=0
vfs.nfsd.enable_locallocks=0

/etc/exports

V4: /export -network ネットワークアドレス -mask ネットマスク

とりあえず、/export がNFSv4共有できるようになる。ただし、/export 自体は sharenfs=off なので、どこからからもマウントできない(できるけどアクセスできない)。

/etc/rc.conf

rpcbind_enable="YES"
nfsuserd_enable="YES"
mountd_enable="YES"
nfs_server_enable="YES"
nfsv4_server_enable="YES"

rpcbind_flags="-h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス"
nfsuserd_flags="-domain アカウント識別用ドメイン"
mountd_flags="-l -h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス"
nfs_server_flags="-t -h 公開するNFSv4サーバーのIPアドレス"

このうち、nfsuserd_flags で指定する「ドメイン」の指定が重要となる。 NFSv4では、NFSサーバーとNFSクライアント間のユーザー識別子を「ユーザー@ドメイン」で識別するため、合わせておく必要がある。

これは厳密にはサーバーのドメインとは別物であるため、別途決め打ちする必要がある。

アカウント作成

アカウント作成例

pw groupadd postgres -g 5432
pw useradd  postgres -u 5432 -g postgres -c "postgres" -s /usr/sbin/nologin
install -d -o postgres -g postgres -m 0755 /home/postgres

※FreeBSD の PostgreSQL 用アカウントとして pgsql (/usr/ports/UIDs ファイル参照のこと)があるが、CentOS の PostgreSQL 用アカウント(postgres)とはマッチしないので、別途作成する。

領域の共有設定

共有設定

/export をどう共有するかによるが「/export/NFSv4クライアント」として、クライアント単位で共有設定する場合は、下記のようにパーティションを切る。

zfs create -o sharenfs="-maproot=0:0 NFSv4クライアントIP" export/NFSv4クライアント

sharenfs 設定を行うと、/etc/zfs/exports ファイルに掃き出されるのと、合わせてmountd(8)に再読み込み(HUP シグナル)が実施される。

一つの領域を複数のNFSv4クライアント間で共有するなら、/etc/exports に集約するのが良いと思われ(未実験)。

なおNFSv4クライアントからは、「/NFSv4クライアント名」でマウントすることになる(/export がトップディレクトリとなって見えなくなる)。

更にお好みに応じて、exec=off、setuid=off、devices=off も追加しよう。これはNFSv4サーバーとしては「解釈しない」という意味であって、NFSv4クライアントはクライアントで、別途設定が必要となる。

設定確認

mountd(8) 再読み込みによりNFSv4クライアントからマウントできるようになるわけだが、これが成功したのか失敗したのかはよくわからない。 そこで、「showmount -e」コマンドと「zfs get sharenfs」コマンドの実行結果を見比べて判断すること(設定した内容が反映されてないなど)。

showmount -e
zfs get sharenfs

参考文献