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   * 認証局のブランドの一つである。これは「Symantec(旧Verisign)セキュア・サーバーID」「!CyberTrust !SureServer」「!SecomTrust セコムパスポート for Web3.0」「!GlobalSign クイック認証SSL」「!GeoTrust RapidSSL」「Comodo PositiveSSL」などの一つと考えれば良い。たぶんどれかは聞いたことあるはずと思う。    * 認証局のブランドの一つである。
   *
これは「Symantec(旧Verisign)セキュア・サーバーID」「!CyberTrust !SureServer」「!SecomTrust セコムパスポート for Web3.0」「!GlobalSign クイック認証SSL」「!GeoTrust RapidSSL」「Comodo PositiveSSL」などの一つと考えれば良い。
   *
たぶんどれかは聞いたことあるはずと思う。
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     * 扱える端末が(比較的)少ない。エンドユーザーの粘り強い、全アクセスの0.5%以下であってもフォローしないといけない用途であるなら使えない。
     * 逆に今時のメジャーどころの端末・ブラウザは対応している。
     * 扱える端末が(比較的)少ない(誤差?)。エンドユーザーの粘り強い、全アクセスの0.5%以下であってもフォローしないといけない用途であるなら使えない。
     * 逆に今時のメジャーどころの端末・ブラウザは対応している。よってPC相手にはほぼ問題無い(Windows XP? IE6? 知らんがな)。
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     * IdentTrust なの? DST なの? については旧会社のブランドも残ってるらしい、としか認識してない。
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 * どれくらい戻れないかというと、Webサーバーに対しても dns-01 手順を適用したくなる。
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いずれも最新のリリースということで確認しているが、ある程度古い環境でも問題無いと思われ。

本例では、www.example.jp というコモンネームに対して証明書を発行するものとする。
チャレンジ/レスポンスコードをDNSダイナミックアップデートするため、
example.jp ゾーンに対するDNSコンテンツサーバーへの更新権限があるものとする。

ある程度制限できるとは言え、DNSダイナミックアップデートは「ゾーン」に対してフリーダムに更新できてしまうので、
_acme-challenge.www.example.jp ゾーン(に分けて/委任してもらって)に閉じるよう制限するのが必要と思われる。

ここでは敢えて「example.jp」ゾーンから「_acme-challenge.www.example.jp」を
自分自身(DNSコンテンツサーバー)へ委任するものとし、
外部のDNSコンテンツサーバーへは向けないものとする。

ここまでお膳立てが整えられていれば、サービスで使う際に、
お客様のDNSコンテンツサーバーへの更新権限は得られなくても、
自分のDNSコンテンツサーバーに委任してもらって、
更新できるようにするのは難しくないと思う。
 * いずれも最新のリリースということで確認しているが、ある程度古い環境でも問題無いと思われ。
 * 本例では、www.example.jp というコモンネームに対して証明書を発行するものとする。
 * チャレンジ/レスポンスコードをDNSダイナミックアップデートするため、example.jp ゾーンに対するDNSコンテンツサーバーへの更新権限があるものとする。
 * ある程度制限できるとは言え、DNSダイナミックアップデートは「ゾーン」に対してフリーダムに更新できてしまうので、_acme-challenge.www.example.jp ゾーン(に分けて/委任してもらって)に、更新が閉じるよう制限するのが必要と思われる。
 * ここでは敢えて「example.jp」ゾーンから「_acme-challenge.www.example.jp」を自分自身(DNSコンテンツサーバー)へ委任するものとし、外部のDNSコンテンツサーバーへは向けないものとする。
 * ここまでお膳立てが整えられていれば、例えば、お客様のDNSコンテンツサーバーへの更新権限は得られなくても、自分のDNSコンテンツサーバーに委任してもらって、更新できるようにするのは難しくないと思う。
行 50: 行 43:
   * それら詳細についてはここでは取り上げない。
行 53: 行 47:
 * インストールされるパッケージ如何によっては細かい振る舞いが変わるので、詳細は取り扱わない。  * インストールされるパッケージ如何によっては細かい振る舞いが変わる、詳細は取り扱わない。

Let's EncryptでSSL証明書の新規作成と自動更新(dns-01編)

  • Lets' EncryptによるSSL証明書の自動取得・自動更新に関するメモを残す。

  • Let's Encrypt について復習ではあるが、
    • 認証局のブランドの一つである。
    • これは「Symantec(旧Verisign)セキュア・サーバーID」「CyberTrust SureServer」「SecomTrust セコムパスポート for Web3.0」「GlobalSign クイック認証SSL」「GeoTrust RapidSSL」「Comodo PositiveSSL」などの一つと考えれば良い。

    • たぶんどれかは聞いたことあるはずと思う。
    • 他の認証局と明確に違う点は、
      • 無償。当然ではあるが、1証明書をどのように(複数IP, 複数バックエンド, 複数プロトコル)使用しても1取得で済む。
      • 親ドメインをまたぐ、マルチドメイン証明書(Subject Alternative Names)に対応している。
      • その代わり、ワイルドカード証明書には対応していない。
      • RSA(2048bit, 3072bit, 4096bit), ECDSA(prime256v1, secp384r1) の5種類の鍵が選べる。
      • ACME(Automated Certificate Management Environment)プロトコルによる証明書の認証から発行までの一連のバッチ化(自動化)が可能。
      • 扱える端末が(比較的)少ない(誤差?)。エンドユーザーの粘り強い、全アクセスの0.5%以下であってもフォローしないといけない用途であるなら使えない。
      • 逆に今時のメジャーどころの端末・ブラウザは対応している。よってPC相手にはほぼ問題無い(Windows XP? IE6? 知らんがな)。
      • DV(Domain Validation)証明書のみ。ただしOV(Organization Validation)証明書やEV(Extended Validation)証明書との純技術的な優劣は無い。
      • 取得数制限(特に単位時間あたりの)があるので注意。詳しくは Rate Limits を参照のこと。

      • 検証(ステージング)用認証局も用意されているので、セットアップ時の検証や、ACMEクライアントの開発といった用途ではこちらを使う。

      • 「現在の」ルート証明書は「IdentTrust|DST(Digital Signature Trust) Root CA X3」である。

      • IdentTrust なの? DST なの? については旧会社のブランドも残ってるらしい、としか認識してない。

      • 少なくとも中間証明書の発行者(Issuer)はそうである(ISRG - Internet Security Research Group ではない)。

      • このルート証明書がインストールされた端末が対応端末となる。
      • 中間証明書は「Let's Encrypt Authority X3」である(場合によってはこっち「も」入ってることがあるかもしれない)。
  • 使用するツール・傾向については Let's EncryptでSSL証明書の新規取得と自動更新(http-01編) を参照のこと。

  • ここでは「チャレンジ・レスポンス」をHTTP(http-01)ではなく、DNS(dns-01)を使う方法について説明する。
  • 環境(イントラネット内など)によってはこの方法しか採れないケースもありうる。
  • DNSコンテンツサーバーとの連携(諸設定)が必要になってしまうが、この味を知ってしまうと http-01 手順には戻れなくなること請け合いである:-)。
  • どれくらい戻れないかというと、Webサーバーに対しても dns-01 手順を適用したくなる。

検証環境

  • いずれも最新のリリースということで確認しているが、ある程度古い環境でも問題無いと思われ。
  • 本例では、www.example.jp というコモンネームに対して証明書を発行するものとする。
  • チャレンジ/レスポンスコードをDNSダイナミックアップデートするため、example.jp ゾーンに対するDNSコンテンツサーバーへの更新権限があるものとする。
  • ある程度制限できるとは言え、DNSダイナミックアップデートは「ゾーン」に対してフリーダムに更新できてしまうので、_acme-challenge.www.example.jp ゾーン(に分けて/委任してもらって)に、更新が閉じるよう制限するのが必要と思われる。
  • ここでは敢えて「example.jp」ゾーンから「_acme-challenge.www.example.jp」を自分自身(DNSコンテンツサーバー)へ委任するものとし、外部のDNSコンテンツサーバーへは向けないものとする。
  • ここまでお膳立てが整えられていれば、例えば、お客様のDNSコンテンツサーバーへの更新権限は得られなくても、自分のDNSコンテンツサーバーに委任してもらって、更新できるようにするのは難しくないと思う。

想定サーバー・ドメイン

  • DNSコンテンツサーバーは ns.example.jp とする。
    • 実際には複数のDNSコンテンツサーバーで運用されていると思う。
    • それらサーバーへの反映は ns.example.jp の notify yes; およびIXFR(Incremental Zone Transfer)により、全てのサーバーへ即時通達されるものとする。
    • それら詳細についてはここでは取り上げない。
  • SSLサーバーは www.example.jp とする。
  • 上記サーバーは同一でもかまわないし、別々でもかまわない。
  • OSは FreeBSD 11.0-R での想定で行っているが、設定ファイルの位置以外は他のOSでも有効である。
  • インストールされるパッケージ如何によっては細かい振る舞いが変わるが、詳細は取り扱わない。
  • あくまでも FreeBSD 11.0-R 環境における検証結果とする。

DNSコンテンツサーバー側

SSLサーバー側

インストール

  • いずれも ports/security/dehydrated、ports/dns/bind911 または ports/dns/bind-utils よりインストールする。
  • オプションの選択によって手順が変わる点は無いため、ここでは明示しない。

DNSコンテンツサーバーの設定

named.conf の設定例

include "ダイナミックアップデートキーファイル名";

zone "example.jp" {
    type master;
    file "example.jpゾーンファイル名";
};

zone "_acme-challenge.www.example.jp" {
    type master;
    file "_acme-challenge.www.example.jpゾーンファイル名";
    update-policy {
        grant ダイナミックアップデートキー名 name _acme-challenge.www.example.jp. TXT;
    };
};
  • 「DNSコンテンツサーバー」と「SSLサーバー」とで、TSIG(Transaction SIGnature)キーを共有する。
  • TSIGキーはキー名と秘密鍵で構成された、named.conf の書式に準拠したテキストファイルである。
  • このTSIGキーを「ダイナミックアップデートキーファイル名」で保存しておく(所有者は root:wheel、パーミッションは 0400 で)。
  • また、ダイナミックアップデートキーファイル名で定義されているキー名に対して、更新許可設定を与える(update-policy および grant)。

example.jp ゾーンファイルの設定例

$TTL               300

@                       IN SOA ns.example.jp. domain.example.jp. (
                               2017032201 ; serial
                               7200       ; refresh (2 hours)
                               900        ; retry (15 minutes)
                               2419200    ; expire (4 weeks)
                               86400      ; minimum (1 day)
                               )
                        IN NS ns
_acme-challenge.www     IN NS ns
  • 本ファイルの設置場所、命名規則はそれぞれのポリシーに従う。
  • 少なくともFreeBSD的には、/usr/local/etc/namedb/master/ ディレクトリ以下に設置されるものとしている。
  • さらに「example.jp.db」とするか「jp.example.db」とするかなどは、特に明言しない。

_acme-challenge.www.example.jp ゾーンファイルの設定例

$TTL               300

@                       IN SOA ns.example.jp. domain.example.jp. (
                               2017032201 ; serial
                               7200       ; refresh (2 hours)
                               900        ; retry (15 minutes)
                               2419200    ; expire (4 weeks)
                               86400      ; minimum (1 day)
                               )
                        IN NS ns
  • 本ファイルの設置場所、命名規則はそれぞれのポリシーに従う。
  • 少なくともFreeBSD的には、/usr/local/etc/namedb/master/ ディレクトリ以下に設置されるものとしている。
  • さらに「_acme-challenge.www.example.jp.db」とするか「jp.example.www._acme-challenge.db」とするかなどは、特に明言しない。

ダイナミックアップデートキーファイルの設定例

key "キー名" {
    algorithm hmac-sha256;
    secret "PfzeGvXiOqtPOwQJY/iNFrvlD3/eKAHRZ0TbyK5GYII=";
};

上記ファイルは以下のコマンドにより生成することができる。

tsig-keygen -a hmac-sha256 キー名 > ダイナミックアップデートキーファイル名
chmod 0400 ダイナミックアップデートキーファイル名
  • もちろん secret の部分は毎回ランダムに発行される。
  • このファイルは named.conf でも、(後で説明する)nsupdate コマンド(-k オプションで)でもそのまま解釈してくれる。
  • 本ファイルの設置場所、命名規則については一概に言えることが無く、「ポリシーで」で逃げるには無責任すぎるので、例を出してみる。
  • BIND側に設置する場合は、/usr/local/etc/namedb/ ディレクトリに設置することとする。
  • dehydrated側に設置する場合は、/usr/local/etc/dehydrated/ ディレクトリに設置することとする。
  • ファイル名についてだが、「キー名.key」とするのが違和感なくていいと思う。
  • 肝心のキー名だが、BINDのマニュアル(TSIG)によれば「ホスト名1-ホスト名2.」という例がある。

  • 本気かわからないが、「DNSコンテンツサーバー-ダイナミックアップデートするサーバー.」というニュアンスらしい。
  • 本件の場合、ns.example.jp と www.example.jp であることから「ns-www.」とするのが妥当か(ほんと?)。
  • まぁなんでもいいけど、わかりやすいようにね。

参考文献

certificate/レッツエンクリプトでSSL証明書の新規取得と自動更新(dns-01編) (最終更新日時 2019-12-14 23:31:51 更新者 NorikatsuShigemura)