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Let's EncryptでSSL証明書の新規作成と自動更新

  • Lets' EncryptによるSSL証明書の自動取得・自動更新に関するメモを残す。

  • Let's Encrypt 自体、まだまだ未完成のところがあるので、今後の改善によっては本記述が間に合わないことがある。
  • その場合は本家のドキュメントを確認して欲しい。
  • 例えば、letsencrypt コマンドは今では certbot コマンドに変わっている。
  • しかし FreeBSD では2016年05月29日現在、従来通り、letsencrypt コマンドのまま維持されているため、その前提で話を進める。
  • また運用環境が極端に違うことから、FreeBSD 環境での解説のみとし、CentOS 環境での解説は行わない。
  • 将来もう少し、環境差違が無くなってから解説するつもりある。
  • 現時点では初期運用については差違が無いが、自動運転するにはやることが多すぎるためである。

インストール

  • ports ないしは packages から、以下の ports をインストールする。
  • 一般的には ports/security/letsencrypt.sh よりも ports/security/py-letsencrypt を使う事例の方が多いが、今回は使わない。

    • Python および Python モジュールに依存しないので、圧倒的に依存が少ない(それでもそこそこある)。
    • ports/security/py-letsencrypt の場合、特にサーバーユースでの使用において、依存で入る ports/packages が全体の半分に至るケースがある(100packges 中 50packages など)。
    • とは言え、cURL と cURL による依存もまた少なからずある。
    • 全体的には手頃なので、ports/security/letsencrypt.sh を選んだ。
  • また、定期実行が設定ファイルで制御できるレベルで簡単である。
  • ただ、この事情は ports メンテナの功績によるものなので:-)、他の環境でそうであるかは不明である。

準備

  • いくつかのディレクトリの作成および設置ルールを決める。
  • これは本家(ports/security/py-letsencrypt)の作法とは相違があるためである。

証明書の設置場所

  • ports/security/letsencrypt.sh では /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/ 以下のファイルが設置される。
    • /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/cert-UNIXタイム.csr
    • /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/cert-UNIXタイム.pem
    • /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/chain-UNIXタイム.pem
    • /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/fullchain-UNIXタイム.pem
    • /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/privkey-UNIXタイム.pem
  • これは本家の /usr/local/etc/letsencrypt/archive/コモンネーム/ に相当するディレクトリとなる。
  • 設置場所についてはプログラム中に直接記載されているため、変更は不可能である。
  • その代わり、シンボリックリンクで誘導することは可能。
  • また、本家の /usr/local/etc/letsencrypt/live/コモンネーム/ に相当するディレクトリは無く、上記ディレクトリにて、直接、最新の証明書に対してシンボリックリンクが張られる。

# cd /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム
# ls -alF
total 122
-rw-------  1 root  wheel   436 May 29 06:02 cert-1464469337.csr
-rw-------  1 root  wheel  1533 May 29 06:02 cert-1464469337.pem
lrwx------  1 root  wheel    19 May 29 06:02 cert.csr@ -> cert-1464469337.csr
lrwx------  1 root  wheel    19 May 29 06:02 cert.pem@ -> cert-1464469337.pem
-rw-------  1 root  wheel  1647 May 29 06:02 chain-1464469337.pem
lrwx------  1 root  wheel    20 May 29 06:02 chain.pem@ -> chain-1464469337.pem
-rw-------  1 root  wheel  3180 May 29 06:02 fullchain-1464469337.pem
lrwx------  1 root  wheel    24 May 29 06:02 fullchain.pem@ -> fullchain-1464469337.pem
-rw-------  1 root  wheel   302 May 29 06:02 privkey-1464469337.pem
lrwx------  1 root  wheel    22 May 29 06:02 privkey.pem@ -> privkey-1464469337.pem
  • 例えば Apache では以下のように指定することになる。

  SSLCertificateFile    /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/fullchain.pem
  SSLCertificateKeyFile /usr/local/etc/letsencrypt.sh/certs/コモンネーム/privkey.pem

ドメイン所有者確認トークンディレクトリの指定

  • ドメイン所有者確認トークンの設置場所(ディレクトリ)を決める。
  • これはWebサーバー側の設定とも連動する話なので、その前提で決定する。
  • 以下はアクセスログ(例)である。

66.133.109.36 - - [29/May/2016:06:02:21 +0900] "GET /.well-known/acme-challenge/チャレンジトークン HTTP/1.1" 200 87 "-" "Mozilla/5.0 (compatible; Let's Encrypt validation server; +https://www.letsencrypt.org)"
  • デフォルトで /usr/local/etc/letsencrypt.sh/.acme-challenges となっている。
  • 「WELLKNOWN」変数で指定が可能となる。
  • 例えば、本手順の参考にしたサイト(後述の参考文献参照)では、以下のディレクトリに設定している。

mkdir -p /usr/local/apache/www/.well-known/acme-challenge
  • この時、Apache(2.4)の設定は以下の通りである。

Alias /.well-known/ /usr/local/www/.well-known/
<Directory "/usr/local/www/.well-known/">
   Options None
   AllowOverride None
   Require all granted
   Header add Content-Type text/plain
</Directory>

アカウントキーの保存ディレクトリの指定

  • アカウントキーと呼ばれるJSONとRSA秘密鍵の保存ディレクトリを指定する。
  • 特に前者は /usr/local/etc/letsencrypt/accounts/acme-v01.api.letsencrypt.org/directory/アカウント/private_key.json と同じものである。
  • デフォルトで /usr/local/etc/letsencrypt.sh/private_key.{json,pem} となる。
  • これら設定は「ACCOUNT_KEY_JSON」と「ACCOUNT_KEY」設定で指定が可能である。

設定ファイル

  • 上記準備と合わせて、設定ファイルに記載する。いわゆるSHなので、その記法はそれに準じる。
  • 設定ファイルは /usr/local/etc/letsencrypt.sh/config.sh である。
  • ports の場合、config.sh.example も合わせてインストールされるので、合わせて参照して欲しいところ。
  • 色々と設定する項目はあるが、下記の設定のみ使用する。
    • WELLKNOWN
    • ACCOUNT_KEY
    • ACCOUNT_KEY_JSON
    • RENEW_DAYS
    • PRIVATE_KEY_RENEW
    • KEY_ALGO / KEYSIZE
    • CONTACT_EMAIL
  • WELLKNOWN, ACCOUNT_KEY, ACCOUNT_KEY_JSONについてはすでに解説済みなので、残りについて説明する。
  • RENEW_DAYS
    • 有効期限残日数を指定する。今日を基準に有効期限が指定日数未満になったら更新を行う。
    • なお FreeBSD では、更新頻度そのものは毎週行われる(periodic の weekly 指定)。
  • PRIVATE_KEY_RENEW
    • 更新する毎に秘密鍵を作り直すか否かを指定する。
    • デフォルトで「yes」である(毎回作り直す)。
    • 指定可能な値は「yes」か「それ以外」かしか無いので、「Yes」と書いてもNoと解釈される。
  • KEY_ALGO / KEYSIZE
    • SSL証明書の鍵アルゴリズム(KEY_ALGO)と鍵サイズ(KEYSIZE)を指定する。
    • KEY_ALGO での選択可能な識別子は「rsa」「prime256v1」「secp384r1」。
    • KEY_ALGO が「rsa」の時に限って KEYSIZE を指定する(2048, 3072, 4096)。
  • CONTACT_EMAIL
    • Let's Encrypt では連絡用メールアドレスの指定が必要となるので、メールアドレスを指定する。

設定ファイル例

   1 alias openssl="/usr/bin/openssl"
   2 
   3 RENEW_DAYS="30"
   4 KEY_ALGO="prime256v1"
   5 PRIVATE_KEY_RENEW="yes"
   6 CONTACT_EMAIL="メールアドレス"
   7 WELLKNOWN="/usr/local/www/data/.well-known/acme-challenge"
   8 ACCOUNT_KEY="/usr/local/etc/letsencrypt.sh/private_key.pem"
   9 ACCOUNT_KEY_JSON="/usr/local/etc/letsencrypt.sh/private_key.json"

コモンネームファイル

  • 発行するSSL証明書のコモンネームを列挙したファイルを作成する。
  • このファイル名は /usr/local/etc/letsencrypt.sh/domains.txt で指定される。
  • 1行1証明書で、1カラム目はコモンネームとなり、2カラム目以降は SANs(Subject Alternative Names)を指定する。
  • 以下のサンプルでは example.org, example.com の2つの証明書を作成/更新する。

example.org www.example.org
example.com www.example.com wiki.example.com
  • また、「example.org」のSANとして「www.example.org」が、「example.com」のSANとして「www.example.com」と「wiki.example.com」が合わせて設定される。

手動更新ないしは初回実行

  • 以上の設定が完了したら、コマンドを実行する。
  • -c オプションは --cron と同じ意味である。

letsencrypt.sh -c

自動更新

  • ports/security/letsencrypt.sh では定期実行に periodic(8) を採用している。

  • よって定期実行は /etc/periodic.conf ないしは /etc/periodic.conf.local ファイルにて設定を行う。

weekly_letsencrypt_enable="YES"
weekly_letsencrypt_deployscript="/usr/local/etc/letsencrypt.sh/deploy.sh"
  • 単純に更新するだけなら、weekly_letsencrypt_enable="YES" と設定するだけで良い。

  • 更新した後、サーバーへの反映を行うスクリプトを weekly_letsencrypt_deployscript で指定できる。
  • 指定されたファイルは、実行権限(chmod +x)も必要。
  • ただし、証明書の更新が無くても実行されるので、厳密には証明書が更新されたか確認した方がいい。
  • とは言え、現地時間で毎週土曜日04時05分(/etc/crontab の periodic weekly 参照のこと)に実行されるので、そのあたりはテキトーでもいいかもしれない。
  • letsencrypt.sh -gc は古い証明書の削除(クリーンナップ)を行う。

  • わざと残しておくのであれば実行は不要である。

/usr/local/etc/letsencrypt.sh/deploy.sh 例

#/bin/sh
/usr/sbin/service apache24 restart && /usr/local/bin/letsencrypt.sh -gc

よくある質問とその答え

Q. ports/security/letsencrypt.sh と ports/security/py-letsencrypt とどっちがいいですか?

A. 目標が違うのでどっちとも言えない。 単純なサーバー構成(jail だの docker だの無し)で、そう複雑で無いSSL証明書の運用を行うなら、 python 依存が無い ports/security/letsencrypt.sh を使うのがシンプルと思われ。

もう一つ、ports/security/letsencrypt.sh にメリットがあるとすれば、現状(py-letsencrypt は 0.5.0)では ECDSA で証明書を作成・更新するのが手間である点くらい。

Q. 下記のように所有者確認アクセスに失敗、証明書が更新されません!

66.133.109.36 - - [29/May/2016:04:45:29 +0900] "GET /.well-known/acme-challenge/チャレンジトークン HTTP/1.1" 404 268 "-" "Mozilla/5.0 (compatible; Let's Encrypt validation server; +https://www.letsencrypt.org)"

A. Webサーバーの設定ミスの可能性があります! 自分は Alias /.well-known/ /usr/local/www/.well-knownと最後に「/」を入れ忘れていました! このケースでは Alias の第一、第二引数ともに最後に「/」を含める必要がある。

他にも良くありそうなのが、設定した後にサーバー再起動(ないしは再読み込み)を忘れていたなどが考えられる。

あとリカバリとして、更新に失敗して残ってるCSRや秘密鍵を削除するのに letsencrypt.sh -gc を実施すること。

参考文献

certificate/レッツエンクリプトでSSL証明書の新規取得と自動更新(http-01編) (最終更新日時 2019-05-08 17:20:04 更新者 NorikatsuShigemura)