CyrusIMAPdとの連携運用

前提条件

設定目標

インストール

/etc/make.conf

以下の内容を追記する。

# for sendmail
mail_sendmail_SET=    LA NIS SEM TLS DANE SASL SHMEM MILTER SMTPUTF8
mail_sendmail_SET+=   SOCKETMAP BLACKLISTD CYRUSLOOKUP PICKY_HELO_CHECK
mail_sendmail_UNSET=  BDB LDAP SASLAUTHD

/usr/ports/mail/sendmail/Makefile.local

以下の内容でファイルを作成する(「先頭の空白」は全てタブで置き換えること)。

post-configure:
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-D_FFR_TLS_USE_CERTIFICATE_CHAIN_FILE'\'')' >> ${WCONF}/site.config.m4
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-D_FFR_MTA_STS'\'')'               >> ${WCONF}/site.config.m4
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-D_FFR_TLS_ALTNAMES'\'')'          >> ${WCONF}/site.config.m4
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-D_FFR_VRFY_TRUSTED_FIRST'\'')'    >> ${WCONF}/site.config.m4
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-D_FFR_QUEUE_GROUP_SORTORDER'\'')' >> ${WCONF}/site.config.m4
        ${ECHO_CMD} 'APPENDDEF(`conf_sendmail_ENVDEF'\'', `-UTLS_EC -DTLS_EC=2'\'')'          >> ${WCONF}/site.config.m4

インストール

cd /usr/ports/mail/sendmail && make install

セットアップ

/usr/local/lib/sasl2/Sendmail.conf

以下の内容のファイルを作成する。

pwcheck_method: auxprop
auxprop_plugin: sasldb

本条件において適用可能なオプションとしては、下記の物があるが、CyruIMAPd側の設定との調整を考えるとデフォルトのままとする。

設定名

デフォルト値

意味

sasldb_path

/usr/local/etc/sasldb2

SASLDBファイル(本件ではLMDB)のパス

sasldb_mapsize

1048576 バイト

(LMDB固有)全ユーザーをオンメモリにマッピングするためのサイズ

sasldb_maxreaders

126

(LMDB固有)SASLDBファイルを同時アクセス可能な最大セッション(プロセス)数

SASLクライアントが参照すべき設定ファイル名は sasl_server_init() 関数に引き渡される appname 引数により決定される。 マニュアルに明記されてないケースで、その振る舞いの調査が必要な場合は参考までに。

https://www.cyrusimap.org/sasl/sasl/reference/manpages/library/sasl_server_init.html

/etc/mail/Makefile.local

以下のファイルを作成する。

SENDMAIL_CF_DIR=/usr/local/share/sendmail/cf

/etc/mail/ホスト名.mc

いわゆるsendmail.cf作成準備

ln -s freebsd.submit.mc /etc/mail/$(hostname).submit.mc
cd /etc/mail && make

切り替え

cd /usr/ports/mail/sendmail && make mailer.conf

なお切り戻しは下記の実行となる。

rm -f /etc/mail/Makefile.local
touch /etc/mail/ホスト名.*mc && make
cd /usr/ports/mail/sendmail && make mailer.base

/etc/mail/ホスト名.mc のカスタムポイント

TLS関連設定

変更箇所

追加設定

'cf' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
define(`confSERVER_SSL_OPTIONS', `SSL_OP_NO_SSLv2,SSL_OP_NO_SSLv3,SSL_OP_NO_RENEGOTIATION,SSL_OP_PRIORITIZE_CHACHA,SSL_OP_CIPHER_SERVER_PREFERENCE')dnl
define(`confCIPHER_LIST', `TLS_AES_256_GCM_SHA384:TLS_CHACHA20_POLY1305_SHA256:TLS_AES_128_GCM_SHA256:ECDHE-ECDSA-AES256-GCM-SHA384:ECDHE-ECDSA-CHACHA20-POLY1305:ECDHE-ECDSA-AES128-GCM-SHA256:ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384:ECDHE-RSA-CHACHA20-POLY1305:ECDHE-RSA-AES128-GCM-SHA256:DHE-RSA-AES256-SHA:DHE-RSA-AES128-SHA:AES256-SHA:AES128-SHA')dnl
define(`confTLS_FALLBACK_TO_CLEAR', `True')dnl

認証関連の設定

'cf' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
define(`confAUTH_MECHANISMS', 'SCRAM-SHA-256 SCRAM-SHA-1 CRAM-MD5 PLAIN')

CyrusIMAPd関連設定

'cf' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
FEATURE(mrs)
FEATURE(mrs_cyrus)
MAILER(cyrusv2)

MAILER 行は他の MAILER 行の周辺に置くこと。FEATURE 行は MAILER 行の前にあればどこでもよい。

バーチャルホスト関連設定

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 define(`ALIAS_FILE', `/etc/mail/virtaliases,/etc/mail/aliases')dnl
   2 VIRTUSER_DOMAIN_FILE(`-o /etc/mail/virtdomains')

バーチャルホスト連携

/etc/mail/virtdomains

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 example.jp

/etc/mail/mailertable

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 example.jp   mrs_cyrus_mailertable:

※ドメインの後の「空白」は「タブ」に置き換えること。: の後ろに指定は無いが、: の存在は必須である。

/etc/mail/virtaliases

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 

よくある質問とその答え

Q.下記のように `confLOCAL_MAILER` 設定すればいいぢゃん、なんでしないの?

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 define(`confLOCAL_MAILER', `cyrusv2')dnl

A.sendmailが取り扱う全てのメールをローカルメーラーとして、CyrusIMAPdに送るということはできますが、以下のデメリットが嫌でそうしていません。

※なおsendmailで受信して、CyrusIMAPdのメールボックスに送るだけなら、SASLアカウントの設定は不要。

Q.この手の設定を他で見ると下記のように `/etc/mail/access` ファイルで設定してるぢゃん、何か違いは?

'numbers=disable' の構文ハイライトはサポートされていません。パーサーのヘルプ を御覧下さい。
   1 example.jp: RELAY

A.sendmailのバーチャルドメイン機構を最大限生かすための設定です。 上記設定だけで、/etc/mail/mailertableconfLOCAL_MAILER の設定を忘れると、容易にサードパーティリレイできてしまいます。 VIRTUSER_DOMAIN_FILE を設定すれば、メールボックスの存在が必須になるため、存在しない場合にエラーになります。

Q.portsで入れないと駄目なんですか?

A.ベースシステムにSASLライブラリが無いのでいかんともしがたいです。 ベースシステムに、ports/pkgでインストールされたSASLライブラリ付でビルドすることもできないでもないですが、 OSのバージョンアップ時のメンテナンスがめんどくさくなるのでオススメしません。

Q.pkgで入れられないのですか?

A.CyrusIMAPd関連の設定(アカウント情報をリアルタイムに参照する設定と転送するための設定)がpkgには無いので、portsでないとダメです。

Q.以下のエラーが出てメールの送信ができません

AUTH failure (XXXXXXXX): generic failure (-1) SASL(-1): generic failure: Unable to open MDB transaction, user=...

A.2021年12月現在、最新のCyrusIMAPdでは本問題が解消しているようです。またSendmailでは問題起きていません。

A.以下のコマンドを実行して、LMDBファイルに接続しているセッション数およびプロセスIDを確認する。

# mdb_stat -ne /usr/local/etc/sasldb2
Environment Info
    :
  Max readers: 126
  Number of readers used: 101
Status of Main DB
    :

上記の例の場合、最大126セッション中101セッション使用していることが分かる。

# mdb_stat -nr /usr/local/etc/sasldb2
Reader Table Status
    pid     thread     txnid
     15223 801e12000 -
     15229 801612000 -
   :

上記のように、具体的にLMDBファイルをつかんでるPIDのリストが取得できる。

# pgrep -lf -F <(mdb_stat -nr /usr/local/etc/sasldb2 | awk '/[0-9]/ { print $1 }')
15223 imapd: imaps: XXXXXX.XXXXXXXXXX.XXX [XXX.XXX.XXX.XXX] nork@ninth-nine.com ninth-nine.com!user.nork Idle

※ZSH/BASH拡張を使用しているので、SH等では実行できない点に注意。

ここで表示されるPIDのプロセスに対して、とりあえず再起動で。 SASLDBライブラリに接続リークを起こすことを確認。

Q.なんでLMDB使う?デフォルトのBDB1でええやん。

A.LMDBと言えばなうでヤングなインメモリデータベースやん。スケーラビリティとか諸々安心といのうのが。

参考文献